サイズ

サイズの検索について設定します。

①サイズの検索を行わない。
②上限下限で指定された範囲でサイズの検索を行う。

例えば、図(i)をモデルパターンとして教示し、カメラで取り込んだ画像には3%拡大した同じ形のワークが写っているとします。

①を指定した場合、サイズの検索は行いません。[基準値]で指定されたサイズでのみ検出するため、図(ii)の破線で示したように、拡大していないパターンで無理やり検出します。ずれた分は形のひずみと判断され、スコアはその分低くなります。

②を指定した場合、[最小]と[最大]で指定された範囲内でサイズの検索を行います。したがって、図(iii)のように完全に一致したパターンを検出できます。

②を指定した場合、サイズが少しでも[最小]、[最大]で指定された範囲から外れたパターンは検出されないため注意が必要です。

検出にかかる処理時間は、①の方が②よりも短く、また、同じ②でも指定したサイズの範囲が狭い方が短くなります。

(i) モデルパターン
(ii) 基準サイズ100%
(iii) サイズ範囲±10%
図:サイズの範囲
[サイズ]を使う場合の注意 サイズが変わる、すなわち、カメラで取り込んだ画像に写った像の大きさが変わるとは、多くの場合「カメラとワークの距離が変わった」ことを意味します。視差について前述しましたが、カメラとワークの距離が変わると、画像上での見た目の移動量が同じでも、実際の物体の移動量は違っています。したがって、カメラとワークの距離が変わると、画像に写った物体の移動量から物体の実際の移動量を正しく計算できなくなり、ロボットを正しく位置補正できなくなります。カメラとワークの距離が変わっていないのに見た目のサイズが変わった場合には、レンズのピントを動かしてしまった可能性があります。この場合、パターンマッチでサイズを検索するように設定すれば検出自体はできますが、画像に写った物体の移動量から物体の実際の移動量を正しく計算できなくなり、ロボットを正しく位置補正できなくなります。サイズの検索を使う場合には、パターンマッチツール単体ではなく、ロボットの位置補正まで含めたアプリケーション全体として、異なるサイズのパターンを見つけた場合の対処がなされているかどうか確認してください。