ウィービング命令はアーク溶接にウィービングパターンを使用するようロボットに指示します。ウィービングは特定のパターンでの溶接トーチの振動です。ウィービングは円弧動作と直線動作で使用します。溶接中、各軸動作ではウィービングは自動的に停止し、次の直線動作でウィービングが再開します。
ウィービングの開始命令と終了命令の間に教示された動作文の実行時にウィービング動作が行われます。ウィービング開始命令でウィービングが実行されると、ウィービング終了命令が実行されるまでウィービングを続けます。
ウィービングパターン命令には以下の種類があります。
ウィーブ サイン[i]
ウィーブ サイン[Hz,mm,sec,sec]
ウィーブ 8ノジ[i]
ウィーブ 8ノジ[Hz,mm,sec,sec]
ウィーブ エン[i]
ウィーブ エン[Hz,mm,sec,sec]
ウィーブ サイン 2[i]
ウィーブ サイン 2[Hz,mm,sec,sec]
ウィーブ L[i]
ウィーブ L[Hz,mm,sec,sec]
サイン型ウィービングは正弦波のパターンを生成します。ウィービング平面はウィービング座標系と振り方向(振り角オフセット)によって決定されます。図102."サイン型ウィ−ビングパターン"を参照ください。サイン型ウィ−ビングはアーク溶接の標準的なウィビングパターンです。サイン型ウィービングは以下の機能において使用されます。
アークセンサのルートパス
サイン2型ウィービングはサイン型ウィービングと似ていますが、ウィービングが4つでなく2つのフェーズで生成されます。サイン2型ウィービングは高周波数のウィービングとなります。アークセンサを使った溶接に使用することはできません。
8の字型ウィービングは輪になったパターンを生成します。ウィービング平面はウィービング座標系と振り角オフセットによって決定されます。図103."8の字型ウィービングパターン"を参照ください。8の字型ウィービングパターンは以下の場合に使用されます。
厚板溶接
表面硬化や被覆加工
強度向上
大きなギャップのある溶接
円型ウィービングは一定の円を描くパターンを生成します。ウィービング平面はウィービング座標系と振り角オフセットによって決定されます。図104."円型ウィービングパターン"を参照ください。円型ウィービングは以下の場合に使用されます。
シート材料のような薄板溶接
大きなギャップのある溶接
重ね継手
表面処理
L型ウィービングパターンは直角の形状のトーチ動作を生成します。このパターンは隅肉溶接やV開先の溶接に役立ちます。ウィービングの振り方向やウィービング平面を溶接継手方向に合うように調整する必要があります。図105."L型ウィービングパターン"を参照ください。
ウィーブ {パターン} [i]命令は指定されたパターンとウィービング条件を使ってウィービングを開始します。図106."ウィービング開始命令(間接指定)"を参照ください。
ウィーブ {パターン}[Hz,mm,sec,sec]命令は命令に指定された周波数、振幅、右タイマ、左タイマでウィービングを開始します。表18."ウィービング開始命令(直接指定)"を参照ください。
この命令の形式はウィービング設定により異なります。