状態1画面はサーボ系統のアラーム状態を表示します。状態情報は、各軸のビット表示の上段に示すフラグビット1(16ビット)と、各軸のビット表示の下段に示すフラグビット2(16ビット)からなります。
表1.状態1画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
フラグビット1 |
この項目は、サーボアラーム状態1を16ビットで表示します。各ビットの意味は 表2."サーボアラーム状態1"に示します。 |
フラグビット2 |
この項目は、サーボアラーム状態2を16ビットで表示します。各ビットの意味は 表5."サーボアラーム状態2"に示します。 |
履歴 |
この項目はフラグビットの今までに発生した中で最も最近の値を表示します。 |
表2.サーボアラーム状態1
MSB | B14 | B13 | B12 | B11 | B10 | B9 | B8 | B7 | B6 | B5 | B4 | B3 | B2 | B1 | LSB |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
|
OVC |
|
|
|
FBAL |
ALDF |
|
MOFAL |
EROFL |
CUER |
|
|
SRDY |
|
表3.アラームタイプ
アラームタイプ |
アラーム説明 |
|||
---|---|---|---|---|
OVC |
過負荷(OVC)アラームを示します。 |
|||
FBAL |
断線アラーム(ALDFは断線がハードウェアに関連するか、ソフトウェアに関連するかを示します。) |
|||
ALDF |
アラーム区別ビット |
|||
MOFAL |
移動指令オーバフローアラーム このビットが1の時、移動指令分配時にオーバフローを起こしたことを示します。 |
|||
EROFL |
ライントラッキング用エラーカウンタオーバフローアラーム このビットが1の時、エラーカウンタがオーバフローしたことを示します。 |
|||
CUER |
電流オフセット異常 このビットが1の時、A/Dコンバータの電流オフセットの値が許容値より大きくなっています。 |
|||
SRDY |
サーボレディ信号 このフラグが1の間、移動指令を受け付けます。 |
表4.アラーム組み合わせ
CLALM |
FBAL |
ALDF |
アラーム |
|
---|---|---|---|---|
0 |
1 |
0 |
ソフト検出のパルスコーダ断線 |
|
0 |
1 |
1 |
ハード検出のパルスコーダ断線(シリアルパルスコーダでは未使用) |
|
1 |
0 |
0 |
衝突検出アラーム |
|
1 |
0 |
1 |
溶着検出アラーム |
表5.サーボアラーム状態2
MSB | B14 | B13 | B12 | B11 | B10 | B9 | B8 | B7 | B6 | B5 | B4 | B3 | B2 | B1 | LSB |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SRCMF |
CLALM |
|
|
|
|
|
|
FSSBDC |
SCUCAL |
AMUCAL |
|
NOAMP |
|
|
|
表6.アラームタイプ
アラームタイプ |
アラーム説明 |
|||
---|---|---|---|---|
SRCMF |
つなぎ処理ワーニングフラグ ノイズなどの影響で位置データが飛んだ場合に、データ補正(つなぎ処理)を行いますが、このデータでマスタリング等が行われると都合が悪いため、本フラグを1にセットし、ホストに連絡します。 |
|||
CLALM |
衝突検出を示します。 サーボCPUで衝突を検出すると1にセットします。ホストCPUは本フラグが1にセットされてから所定の時間経過後にアラーム処理を開始します。 |
|||
FSSBDC |
FSSB断線アラーム FSSBの断線が検出されると1にセットされます。(FSSBCによるハード検出) |
|||
SVUCAL |
FSSBの通信アラーム スレーブ→サーボモジュールデータの通信アラームが2回連続して発生すると1にセットされます。(サーボソフトウェアによる検出) |
|||
AMUCAL |
FSSBの通信アラーム サーボモジュール→スレーブデータの通信アラームが2回連続して発生すると1にセットされます。(各スレーブによる検出) |
|||
NOAMP |
アンプ未接続アラーム 軸があると指定されているにも関わらず、アンプが接続されていない場合に1にセットされます。 |
状態2画面ではパルスコーダのアラーム状態を12ビットで表示します。
表7.状態2画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
アラーム状態 |
この項目はパルスコーダのアラーム状態を12ビットで表示します。ビットの意味は、表8."パルスコーダアラーム状態"に示します。 |
履歴 |
この項目は今までの中で最も最近のアラーム状態ビットの値を表示します。 |
表8.パルスコーダアラーム状態
MSB | B10 | B9 | B8 | B7 | B6 | B5 | B4 | B3 | B2 | B1 | LSB |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
SPHAL |
STBERR |
CRCERR |
DTERR |
OHAL |
LDAL |
BLAL |
PHAL |
CMAL |
BZAL |
PMAL |
|
表9.アラームタイプ
アラームタイプ | アラーム説明 | |||
---|---|---|---|---|
SPHAL |
このビットが1の時、ソフトフェーズアラーム(速度異常)であることを示します。 |
|||
STBERR |
このビットが1の時、スタート/ストップビットアラームであることを示します。 |
|||
CRCERR |
このビットが1の時、CRCアラームであることを示します。 |
|||
DTERR |
このビットが1の時、データアラームであることを示します。 |
|||
OHAL |
このビットが1の時、モータオーバロードアラームであることを示します。 |
|||
LDAL |
このビットが1の時、ダイオード異常アラームであることを示します。 |
|||
BLAL |
このビットが1の時、バッテリ電圧低下アラームであることを示します。 |
|||
PHAL |
このビットが1の時、フェーズアラームであることを示します。 |
|||
CMAL |
このビットが1の時、カウントミスアラームであることを示します。 |
|||
BZAL |
このビットが1の時、バッテリゼロアラームであることを示します。 |
|||
PMAL |
このビットが1の時、パルスミスアラームであることを示します。 |
パルス画面は、サーボ遅れ量、機械位置、移動指令の状態を示します。
表10.パルス画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
位置エラー 単位:パルス |
この項目はサーボ遅れ量です。指令パルスに対して、実際のパルスの遅れ量を表示します。 |
マシンパルス 単位:パルス |
この項目は機械位置です。実際の絶対パルス値を表示します。 |
モーションコマンド 単位:パルス |
この項目はホストからの指令相対パルス値を表示します。この項目はロボットが位置指令を受けた時のアブソリュートパルスコーダ(APC)に求められる値を表示します。 |
トルクモニタ画面は、電流値、インポジション、オーバトラベル、サーボアンプの状態を表示します。電流値によって、モータにかかる負荷及び発生熱量を推定することができます。
表11.トルクモニタ画面
項目 | 説明 |
---|---|
平均 単位:A |
この項目は電流の平均値です。 |
最大 単位:A |
この項目は電流の最大値です。 |
Inpos |
この項目はインポジション状態を示し、0または1となります。0はインポジションでないことを、1はインポジションであることを示します。 |
OT |
この項目はオーバトラベル状態を示し、0または1となります。0はオーバトラベルでないことを、1はオーバトラベルであることを示します。 |
VRDY |
この項目はサーボアンプの準備状態を示し、オンまたはオフとなります。オンはサボアンプが準備状態であることを、オフは準備状態でないことを示します。 |
トラッキング画面は、トラッキング用サーボシステムの状態を示します。
表12.トラッキング画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
フラグビット1 |
この項目はサーボアラーム状態1を16ビットで示します。ビットの意味は表2."サーボアラーム状態1"に示します。 |
フラグビット2 |
この項目はサーボアラーム状態2を16ビットで示します。ビットの意味は表5."サーボアラーム状態2"に示します。 |
アラーム状態 |
この項目はパルスコーダアラーム状態を12ビットで示します。ビットの意味は表8."パルスコードアラーム状態"に示します。 |
カウンタの数値 |
この項目はライントラッキング用カウンタを示します。 |
外乱トルク画面は、各モータにかかる外乱トルクの推定値(現在値及び最大・最小値)を示します。外乱トルクとは、供給したトルクと実際に動くのに使われたトルクとの差で、この値が予め設定された値(衝突検出閾値)を越えると、衝突したとみなしサーボ電源を落とします。
表13.外乱トルク画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
現在 単位:A |
この項目は現在のサーボモータの外乱トルクを示します。 |
最大 単位:A |
この項目は外乱トルクの最大値を示します。 |
最小 単位:A |
この項目は外乱トルクの最小値を示します。 |
診断画面のメイン画面では各診断項目の最も厳しい値を表示します。 このメイン画面から各診断項目(減速機、トルクマージン、外乱値マージン、OVCマージン、衝突検出、回生放電)のためのより詳細な個別の画面を表示することができます。
表14.サーボ診断メイン画面項目
項目 | 説明 |
---|---|
グループ |
この項目は表示している動作グループ番号を示します。個別画面においても同様です。 |
減速機 |
この項目は減速機の寿命目安(L10寿命)にどの程度達したかを表示します。 |
トルクマージン |
この項目は現在の動作でのトルクの最大値に対する割合を表示します。 |
外乱値マージン |
この項目はサーボソフトが推定した外部から受ける力の衝突検出アラームの閾値に対する割合を表示します。 |
OVCマージン |
この項目はサーボソフトによりシミュレートされたモータ温度のアラーム閾値に対する割合を表示します。 |
衝突検出 |
この項目は検出された衝突回数と最後の衝突検出の情報を表示します。 |
回生放電 |
この項目はサーボアンプへの回生放電の値を表示します。回生放電はモータからアンプに供給される電力です。 例えば、ロボットが下方に振られた場合、重力がモータを通してアンプにエネルギーを供給します。 |
減速機画面では、減速機の寿命目安となるL10寿命にどの程度達したかが表示されます。
L10寿命を延ばすためには(L10寿命への到達を遅らせるためには)、プログラム速度やオーバライドを落として下さい。
L10寿命とは10%の個体が故障するまでの期間です。個体の寿命は減速機毎に異なります。
統計的に90%の個体は故障せずにL10寿命に到達しますが、10%の個体はそれまでに故障します。この結果は参考として扱ってください。
以下のような場合には、L10寿命とは無関係に故障する可能性があります。
ロボットアームやツールが衝突した場合。
非常停止が頻繁にかかった場合。
グリスが適切に交換されていない場合。
チェックの頻度を増やして下さい。
減速機交換の準備をして下さい。
減速機を交換して下さい。
トルク画面は現在の動作での各トルクの許容最大トルクに対する割合を表示します。
表16.診断:トルク画面項目
項目 | 説明 |
トルク割合 単位:% |
現在の動作での各トルクの許容最大トルクに対する割合を示します。 この値が100%より大きい場合、ツールとワークを合わせた負荷がロボットの最大負荷を超えていないか確認して下さい。 |
外乱値画面はサーボソフトにより推定された外部から受ける力のアラーム閾値に対する割合を表示します。
表17.診断:外乱値画面項目
項目 | 説明 |
現在 単位:% |
サーボソフトにより推定された、外部から受ける力のアラーム閾値に対する割合を示します。 |
最大(%) 単位:% |
サーボソフトにより推定された、外部から受ける力のアラーム閾値に対する割合の最大値です。最大値はプログラム開始時とジョグ開始時にリセットされます。 最大値が80%を超える場合には、負荷設定が正しく行われているか確認し、必要であれば設定を修正してください。 |
最小(%) 単位:% |
サーボソフトにより推定された、外部から受ける力のアラーム閾値に対する割合の最小値です。最小値はプログラム開始時とジョグ開始時にリセットされます。 最小値が-80%を超える場合には、負荷設定が正しく行われているか確認し、必要であれば設定を修正してください。 |