設定:協調制御画面


設定:協調制御画面

1.設定:協調制御画面

1.1.概要

協調制御とは、先導グループの動きに合わせて、追従グループのTCP の速度と位置を制御する機能です。この機能により、2グループ間の相対速度を一定に保ちつつ、先導グループに対して相対的な軌跡で追従グループを動作させることができます。

本節では協調制御機能で用いられる用語の説明をします。協調制御を使用する前にこれらの用語を理解して下さい。

協調制御は協調ペアとよばれる協調制御グループペアの間で行われます。協調ペアは先導グループと追従グループで構成されます。先導グループは、テーブルのような各種のポジショナです。追従グループは通常ロボットです。

(例えばポジショナのような)先導グループは、ファナックのモータで駆動され、別のグループとして制御される必要があります。付加軸を使用したポジショナやマルチ動作グループの独立付加軸のような従来のポジショナの立上げとは異なります。

この新しい機構種類をポジショナと呼びます。ポジショナと汎用ポジショナをサポートしています。ポジショナは直動軸、回転軸、およびその組み合わせである1〜6軸で構成されます。汎用ポジショナはポジショナの拡張版です。ポジショナとは異なり、汎用ポジショナの軸は任意の角度で設定できます。

1.2.動作グループ

動作グループはタスクを実行するための動作軸の集合として定義されます。ロボットやポジショナ、独立付加軸等がそれにあたります。ロボットは通常グループ1となります。他の動作グループは、ロボット以外の装置の軸を制御するように定義されます。

制御装置がサポートするグループの最大数は8です。ポジショナは4つまでシステムに動作グループとして追加できます。

追加した動作グループでは

  • 6つのモータまで

  • 3軸の付加軸まで

持つ事ができます。

1つの制御装置で最大4つまでのロボット機構部をサポートします。

1つのロボット動作グループあたり9軸を超えることはできません。ロボットのない動作グループでは4軸を超えることはできません。

  • ロボットのない動作グループを4つまで定義できます。最大値は付加軸を含みます。これはポジショナ、汎用ポジショナ、独立付加軸を含みます。

  • 動作グループには1〜3軸までの付加軸を追加できます。軸は動作グループから独立して使用することはできません。

  • 付加軸が追加されると、位置データに付加軸位置データ(E1、E2、E3)が追加されます。

協調制御は2 つの動作グループ間で行われます。

1.3.先導グループ

先導グループは協調制御で独立した動作を行います。通常、先導グループはポジショナです。

1.4.追従グループ

追従グループは先導グループに追従する動作を実行します。例えば協調ジョグでは、先導グループが動作した時、追従グループは先導グループとの相対位置が同じなるように動作します。通常、追従グループはロボットです。

複数のロボットの追従グループがプログラム内に存在することがあります。経路が同じか対称形の場合(つまり、最初の追従ロボットと他の追従ロボットの動作の長さが同じ場合)、全ての追従ロボットは協調制御を実行します。実際には、追従ロボットの間で小さな経路の差があるため、もっとも動作長の長い追従ロボットにより動作時間を決定し、先導グループと協調します。そのほかの追従ロボットはプログラム速度より遅い速度で実行します。

1.5.直動軸

モータが回転したとき、直線の動きが生じる軸を直動軸と呼びます。

1.6.回転軸

モータが回転したとき、回転する軸を、回転軸と呼びます。

1.7.軸のオフセット

軸のオフセットとは複数軸ポジショナにおける 2 つの軸の中心間の距離のことです。オフセットは協調設定画面においてポジショナタイプキャリブレーションを選択した場合、自動的に計算されます。

複数軸ポジショナの第1軸はオフセットがありません。それ以降の軸では第1軸に関してのオフセットがあります。

1.8. 協調座標

協調座標は先導グループの座標系です。この座標系は先導グループと追従グループが協調ペアとしてキャリブレーションされた時に作成されます。例えば、協調座標系は先導グループ(ポジショナの)テーブル上に接続された座標系で、テーブルが動作すると一緒に動きます。追従グループの動作はこの移動する座標系に関連して実行されます。

リーダー座標の原点は、ロボットのワールド座標系の位置として表現されます。ロボットの原点からリーダ座標の原点への変換です。

リーダーTCPはリーダー原点からの位置です。リーダーのワールド座標系での位置として表現されます。

1.9.追従グループのユーザ座標系

追従グループのユーザ座標系は、協調ジョグやプログラムでの協調制御の実行で使用された時、協調座標系の移動の影響を受けます。ユーザ座標系は、協調制御プログラムで使用される場合、プログラムを容易にするために先導グループのワールド座標系に関して定義されます。

ユーザ座標系の値を変えることで、非協調動作のプログラムと同じように、協調動作プログラム内の位置をシフトすることができます。それにより協調座標系の原点をシフトすることができます。もし、先導グループ(ポジショナ)と追従グループ(ロボット)との相対関係が変化し適用される相対座標系が移動した場合、この方法は協調動作プログラムの位置をシフトするのに最も最適な方法となります。先導グループ(ポジショナ)が移動した時に効果的です。

追従グループのユーザ座標系は協調制御でない場合のユーザ座標系と同じ機能を実行します。

追従グループのユーザ座標系はダイナミックユーザ座標系として設定することができます。この座標系は現在の先導グループの位置でのリーダー座標系に相当します。ダイナミックユーザ座標系はワークが最初に教示した位置から移動した時やワークセルの複製、ROBOGUIDEと制御装置でのプログラムの転送に役立ちます。

警告

ダイナミックユーザ座標系を使用しない限り、ワークのずれや誤差を補償しようとしてユーザ座標系を移動させないで下さい。さもなければ、ワークセルとの相対動作が期待した通りにならない可能性があります。

1.10.追従グループのツール座標系

追従グループのツール座標系は標準のツール座標系です。

ツール座標系を定義するためには6点教示法を使用してください。協調ペアのキャリブレーションやプログラミングの前にツール座標系が正しく定義されているかを確認してください。

1.11. 先導グループのツール座標系

先導グループのツール座標系は協調制御では使用していません。

1.12.先導グループのユーザ座標系

先導グループのユーザ座標系は協調制御では使用していません

1.13.先導グループのワールド座標系

先導グループのワールド座標系の原点はポジショナに基づいて決定されます。ロボットのワールド座標系と関連付ける必要はありません。1.8."協調座標系"を参照ください。