歪みの許容値

モデルパターンとのひずみが何画素以下のパターンを検出するかを指定します。ひずみの許容値は画素数で指定します。標準値は1.5 画素です。

基本的には、この設定値を変更する必要はありません。「ワークが袋物で、物体の形が実際に変形する」ような特別な場合を除いて、ひずみの許容値に大きな値を設定することは推奨しません。

ひずみの許容値の大小による動作の違いを極端な例で説明します。

(i) モデルパターン
(ii) 許容範囲±1.5 画素
(iii) 許容範囲±4.0 画素
ひずみの許容範囲

例えば、図 (i)のような円をモデルパターンとして教示したとします。画像中には図 (ii)のような正五角形が写っています。ひずみの許容値を小さく設定すると、図 (ii)のように形が違うと判断されて検出されませんが、ひずみの許容値を大きく設定すると、図 (iii)のように同じ形であると判断され検出されます。

ひずみの許容値を大きく設定すると、パターンマッチツールはひずんだ形を考慮する必要があるため、処理に時間がかかります。小さい値を設定すると、処理にかかる時間は短くなります。

ひずみの許容値を大きく設定すると、一見「高いスコアで検出できるようになった」ように見えますが、実は誤検出や未検出と隣り合わせの不安定な設定の場合が多くあります。図の例からも推測できるかと思います。

基本的には、ひずみの許容値を大きくすると誤検出が多発するようになるため、注意する必要があります。