エンコーダは、コンベアにロボットが正確に追従するために必要です。エンコーダは、コンベアの動作に応じたパルスカウントをロボットに送信し、ロボットとコンベア間の物理的な位置関係を確立しています。
トラッキング情報を設定する前に、エンコーダ情報を設定することが必要です。
表1. エンコーダ設定項目
エンコーダ設定画面パラメータ | 説明 |
---|---|
値:1 - 8 標準値:1 |
エンコーダ情報を設定するエンコーダ番号を選択します。(注3、注4) |
値:0 - 32 標準値:0 |
トラッキングエンコーダ用に使用するサーボ軸番号を設定します。 例えば 1 軸トラッキングの場合にはエンコーダ軸を“1”、2 軸トラッキングの場合にはエンコーダ 1 を“1”、エンコーダ 2 を“2”と設定します。但し、αA1000S パルスコーダをメインCPUボードに接続する場合、エンコーダ軸番号は設定不要です。なお、本値を変更した場合は、電源再投入が必要です。 |
値:表2 を参照 標準値:パラレル インクレ |
エンコーダの種類を選択します。詳細は 表2 を参照して下さい。なお、本値を変更した場合は、電源再投入が必要です。 |
値: オフ (0) オン (1) 標準値:オフ (0) |
エンコーダの有効・無効を設定します。有効の時、パルスカウントは一定間隔でアップデートされます (本実行時とシミュレート時両方)。 なお、本項目の値は、コールドスタートにて、自動的にオフになります。プログラム実行前には必ず本設定を確認して下さい。そうしないと、ライントラッキングが働かない場合があります。通常は、トラッキングプログラムをヨビダシする前に、エンコーダ有効命令により、エンコーダを有効にします。 |
値:整数 |
本値は、ITP_TIME (補間周期) と乗数 (次項目) によって計算されたアップデート周期に基づいて得られる最新のパルスカウントであり、絶対量 (積算値) を示します。 |
値:1 - 100 標準値:1 |
本値は、エンコーダのアップデート周期を決定するために、ITP_TIME に掛けられる係数値です。本値が 1 ならば、アップデート周期は ITP_TIME と同じになります。 |
値:1 - 100 標準値:1 |
エンコーダ速度平均値 ($ENC_STAT[エンコーダ番号]. $ENC_RATE : カウント/アップデート周期) を計算するための瞬時速度の積算個数を入力します。瞬時速度はバッファ ($ENC_STAT[エンコーダ番号]. $ENC_BUFFER) に記録されていきます。 |
値:正の整数 標準値:0 |
エンコーダテイシ命令において、エンコーダ速度が本値 (カウント/アップデート周期) より小さくなった場合、コンベヤが停止しているとみなします。エンコーダ停止命令で、停止判定の閾値に使われます。 |
値: オフ (0) オン (1) 標準値:オフ (0) |
本設定がオン(1)の時、シミュレーション速度に設定されている速度によって、パルスカウントがシミュレーションモードでアップデートされます。テスト運転の時に使用できます。 |
値:整数 標準値:0 |
シミュレーション時のエンコーダ速度 (カウント/アップデート周期) を入力します。現在のパルスカウント ($ENC_STAT[エンコーダ番号]. $ENC_COUNT) に本値が加えられ、次のパルスカウントとなります。よって、シミュレーション時には、本値がバッファ ($ENC_STAT[エンコーダ番号]. $ENC_BUFFER) に記録され、エンコーダの平均速度も本値と一致します。よって、シミュレーション時のみ使用されます。 |
値:整数 標準値:0 |
マスターエンコーダが繋がれている制御装置のRIPE番号を設定します。 |
値:整数 標準値:0 |
マスターエンコーダのエンコーダ番号を設定します。 |
ライントラッキング用インタフェースボード (A20B-8101-0421, A20B-8101-0601) に接続する場合、パルスコーダは 2 つまで接続できます。メインCPUボードに接続する場合、パルスコーダは 1 つまで接続できます (αA1000S パルスコーダのみ)。別置型インタフェース装置 SDU1 (A02B-0323-C205) と SDU2 (A02B-0323-C204) を使用する場合、エンコーダは最大 8 つまで接続できます。
ライントラッキング用インタフェースボード、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) に接続する場合、エンコーダの情報はエンコーダ端子の番号と一致するエンコーダ番号に設定して下さい。例えば、ライントラッキング用インタフェースボード JF21 端子に接続されるエンコーダ情報は、エンコーダ番号 1 に設定します。エンコーダ端子の番号とエンコーダ番号が一致しない場合、エンコーダ情報を正しく読み取れません。
パルスコーダを 2 つ以上使用し、なおかつ、そのうちの 1 つをメインCPU ボードのエンコーダ端子に接続する場合、メインCPU ボードのエンコーダ端子に接続するエンコーダ情報は、必ずライントラッキング用インタフェースボード、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) に接続するエンコーダのエンコーダ番号より後ろのエンコーダ番号に設定して下さい。この順序が満たされない場合、エンコーダデータを正しく読み取れません。例えば、ライントラッキング用インタフェースボードにパルスコーダを 2 つ、メインCPU ボードにパルスコーダを 1 つ接続する場合 (計 3 つ)、エンコーダ番号 1, 2 にライントラッキング用インタフェースボードに接続するエンコーダ情報、エンコーダ番号 3 にメインCPU ボードに接続するエンコーダ情報を設定します。
メイン CPU ボードのエンコーダ端子に接続できるエンコーダは、αA1000S パルスコーダ (A860-0372-T001) のみです。
表2. エンコーダタイプ設定
番号 | 名称 | 説明 |
---|---|---|
1 |
パラレル インクレ | インクレメンタルパルスコーダ (A860-0301-T001〜T004) を使用し、ライントラッキング用インタフェースボード (A20B-8101-0421 (wide-mini slot), A20B-8101-0601 (mini slot))、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) に接続する場合に選択します。 |
2 |
シリアル アブソ | αA1000S パルスコーダ (A860-0372-T001) をアブソリュートタイプとして使用し、ライントラッキング用インタフェースボード (A20B-8101-0421 (wide-mini slot), A20B-8101-0601 (mini slot))、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) に接続する場合に選択します。 |
3 |
サーボコンベア | サーボ駆動コンベアトラッキング機能の場合に使用します。 |
4 |
バーチャル | ライントラッキング用インタフェースボード (A20B-8101-0421 (wide-minislot), A20B-8101-0601 (mini slot))、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) が無い場合に、シミュレーションでエンコーダカウントをアップデートするモードです。 |
5 |
シリアル インクレ | αA1000S パルスコーダ (A860-0372-T001) をインクレメンタルタイプとして使用し、ライントラッキング用インタフェースボード (A20B-8101-0421 (wide-mini slot), A20B-8101-0601 (mini slot))、もしくは、別置型インタフェース装置 (SDU) に接続する場合に選択します。 |
6 |
メイン シリアル インクレ | αA1000S パルスコーダ (A860-0372-T001) をインクレメンタルタイプとして使用し、メインCPUボードのエンコーダ端子 (R-30iB: JD17, R-30iB Mate: CRS41 (注6)) に接続する場合に選択します。 |
7 |
メイン シリアル アブソ | αA1000S パルスコーダ (A860-0372-T001) をアブソリュートタイプとして使用し、メインCPUボードのエンコーダ端子 (R-30iB: JD17, R-30iB Mate: CRS41 (注6)) に接続する場合に選択します。 |
R-30iB Mate 用メインCPU ボードA (A20B-8200-0790) では、αA1000S パルスコーダをメインCPU ボードに接続するインタフェースを使用できません。その場合は、ライントラッキング用インタフェースボードをご使用下さい。
ライントラッキング用インタフェースボードが搭載されない構成 (αA1000S パルスコーダをメインCPU ボードに接続する構成) で、エンコーダタイプに「1 パラレルインクレ」、「2 シリアルアブソ」、「5 シリアルインクレ」のいずれかが選択されている場合、「サーボ-056 FSSB 通信アラーム2 (G: グループ番号 A: 軸番号)」アラームが発生します。表2 に従い、エンコーダタイプを正しく設定して下さい。