11.パレタイジング全点教示

パレタイジングにおいて、1つの形態だけではなく、教示された形態に従って積み上げや積み下ろしを行うようにすることができます。形態については、「4.5.位置データ」を参照ください。

図134."パレタイジング例"では水平関節ロボットで腕の左右について2つの形態で行われるパレタイジングの例を示しています。

図134.パレタイジング例

図134.パレタイジング例

この例では、3つのワークのパレタイジングが異なる形態(ワーク3が右、他の2つが左)で教示されています。

通常、上記の様に教示しても、全ての積み点の形態を同じにして積み上げや積み下ろしを行うように、プログラムが実行されます。

システム変数の設定により、ロボットが教示された形態に従ってワークの積み上げや積み下ろしを行うことができます。

操作

教示した時の姿勢や形態でワークの積み上げや積み下ろしを行うために、以下の設定を行ってください。

  1. システム変数画面で、システム変数$PALCFG.$FREE_CFG_ENをTRUEとして下さい。(標準値:TRUE)

  2. パレタイジング初期データ画面で、行/列/段のうち1方向について、配列方法に「全点」が教示されている方向の姿勢制御に「分割」を設定します。

指定方向の教示したワーク毎に、そのワークに対応する全てのワークについて、教示ワークと同じ姿勢、および形態で積み上げまたは積み下ろしが行われます。

以下は、4行、2列、5段の不規則な配列のパレタイジングの例です。以下のようにパレタイジング初期データを設定します。

行 = [ 4 全点 分割]

列 = [ 2  2点  固定]

段 = [ 5  2点  固定 1]

この例では、行方向に「全点」、「分割」を設定しています。この条件でシステム変数$PALCFG.$FREE_CFG_ENがTRUEである場合、以下の形態で積み上げや積み下ろしが行われます。

- 1行目はイチ[1,1,1]の形態 - 2行目はイチ[2,1,1]の形態 - 3行目はイチ[3,1,1] の形態- 4行目はイチ[4,1,1]の形態

本機能をご使用の際は、以下の点にご注意下さい。

これは、このような設定では、非教示ワーク(教示ワークの位置から積み点を計算されるワーク)の位置でとるべき形態を一つに確定できないことによります。

このような設定のプログラムでは、以下のエラーが発生し、実行できません。

パレット-024 積み点が求められません

ロボットは、現在位置の形態と、移動しようとする先の位置データの形態が異なる場合、その間を「チョクセン」動作形式で移動することはできません(形態不一致のアラームが発生し、プログラム実行は中断されます)。

パレタイジングの接近点、逃げ点の形態は、積み点の形態を使用します。そのため、最初に実行されるパレット動作命令が「チョクセン」動作形式である場合、その行を実行しようとした時点でのロボットの形態によっては、形態不一致となる可能性があります。

最初のパレット動作命令の動作形式を「カクジク」にすることにより、この問題を回避することができます。例えば、接近点が3つ、逃げ点が2つのパレタイジングでは、以下のようなプログラミングにより形態不一致のアラームを避けることができます。

例1.形態不一致アラームとならないパレタイジングプログラム

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10:   パレタイジング EX_1
11: カクジク イチ_1[セ_3] 100% イチギメ
12: チョクセン イチ_1[セ_2] 500mm/sec ナメラカ50
13: チョクセン イチ_1[セ_1] 300mm/sec ナメラカ10
14: チョクセン イチ_1[ツミテン] 100mm/sec イチギメ
15:   ハンド1_ヒラク
16: チョクセン イチ_1[ニ_1] 300mm/sec ナメラカ10
17: チョクセン イチ_1[ニ_2] 500mm/sec ナメラカ50
18:   パレタイジング オワリ_1
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