iRVisionはビジョンプログラムの実行履歴を残すことができます。
標準では実行履歴を残さないように設定されています。実行履歴を残すには、iRVisionのシステム設定画面で実行履歴を有効にして下さい。
標準の設定では、R-30iB制御装置ではMC:に、R-30iB Mate制御装置ではUD1:に実行履歴が記録されます。
メモリカード・USBメモリが挿入されていない場合は、実行履歴を残すように設定されていても、実際には実行履歴は記録されません。
メモリカード・USBメモリの残り容量が指定された容量(標準設定では2 Mバイト)を下回ると、古い履歴を削除して容量を確保してから最新の履歴を記録します。
メモリカード・USBメモリの残り容量が指定された容量を下回った場合でも、ビジョンの実行履歴以外のファイルを削除することはありません。
削除できる実行履歴がない場合は、「CVIS-130ディスクに空き領域がありません」アラームが発生し、実行履歴は記録されません。
古い履歴を削除する処理には時間がかかるため、できるだけこのような状況にならないよう定期的に実行履歴をパソコン等に移動して、メモリカード・USBメモリに十分な空き容量を確保しておくことをお勧めします。
ある制御装置で実行履歴を記録したメモリカードを、他の制御装置にそのまま挿入してビジョンのライン実行やテスト実行を行うと、元の制御装置で記録された実行履歴が上書きされることがあります。
メモリカードやUSBメモリなどのデバイスはFAT16でフォーマットして下さい。
ビジョンプログラムが撮像した画像を履歴画像として残すことができます。
記録した履歴画像は、後々のトラブルシューティングに活用できるほか、ビジョンプログラムのテスト実行でも利用できます。
履歴画像は、実行履歴の一部として、メモリカードに記録されます。
履歴画像を記録するか否かは、各ビジョンプログラムの編集画面で選択します。「保存しない」、「未検出だったら保存する」、「常に保存する」から選択します。
履歴画像を保存するようにすると、前の検出結果の画像の保存が終了しないと、次の検出は開始できなくなります。
トラブル調査などで必要な場合のみ「常に保存する」にし、通常は「保存しない」または「未検出だったら保存する」にすることを推奨します。
履歴画像の保存に要する処理時間はビジョンプログラムの種類によります。
iRVisionのシステム設定画面で実行履歴を残さないように設定している場合は、ビジョンプログラムで履歴画像を保存するよう設定してあっても、履歴画像は保存されません。
実行履歴および履歴画像を見るには、[画面選択]から[8 iRVision]→[3 実行履歴]を選択します。
画面右上のドロップダウンボックスで、表示する履歴の日付とビジョンデータ名を選択します。すべてのビジョンデータの実行履歴をまとめて表示したい場合は、[全てのデータ]を選択します。
画面右に、履歴の一覧が表示されます。画面右の履歴リストで履歴をひとつ選択すると、画面下のリストに詳細情報が表示されます。また、画像がある場合は、画面左に画像が表示されます。
実行履歴は指定されたフォルダ(標準設定ではMC:\VISION\LOG\)の下に、各日付のフォルダが作られ、その日付フォルダの下にその日の分の実行履歴と履歴画像が保存されます。
各日付フォルダの下にサブフォルダが作成され、各サブフォルダの中に実行履歴ファイル(.VL)と履歴画像ファイル(.PNG)が保存されます。
実行履歴、履歴画像のフォルダ構成、ファイル名を変更すると、実行履歴と履歴画像の対応が取れなくなります。
実行履歴や履歴画像をコピーしたり移動したりする場合は、フォルダ構成、ファイル名を変えずに行うようにして下さい。