データ:タッチセンサ条件画面


データ:タッチセンサ条件画面

1.タッチセンサ条件画面

タッチセンサ条件はサーチ動作をどのように実行するかを制御する条件です。32のタッチセンサ条件が有効です。

表1.タッチセンサ条件設定項目

項目 説明

タッチセンサ条件

表示されている条件番号を示します。コメントの入力が可能です。

マスタフラグ

初期値 = オフ

位置オフセット情報を生成するタッチセンサプログラムのためのマスタリングプログラムとしてサーチプログラムを使用する場合に有効にします。オンに設定すると、サーチプログラムを実行した時、タッチした位置が今後のサーチ動作で使用される参照点として記録されます。マスタサーチが完了した後は、サーチにより位置オフセット情報を作成するために、このフラグをオフにして下さい。このフラグをオンにしてサーチプログラムを実行すると、位置レジスタ内の位置オフセット情報は全て0に設定されます。これは、マスタ位置でサーチを行った場合には溶接軌跡に適用するオフセットはないことを意味します。

マスタフラグ条件はシンプルサーチには無視されます。

サーチ速度

初期値 = 50.0 mm/sec

サーチ動作を実行する時のロボットの速度を設定します。

警告

サーチ動作は動作命令の最後に動作付加命令として教示されます。ロボットの動作速度は動作命令に教示された速度ではなく、サーチ速度によって決まります。テスト中、ドライランが有効な時も、サーチ速度が使用されます。ドライラン速度は無視されます。

サーチ距離

初期値 = 100 mm

サーチ動作の時にロボットがどこまで動作可能かを定義します。対象ワークに接触しないままこの距離に到達すると、「タッチ-017 ワークに接触しませんでした」が発生します。

タッチセンサ座要系

初期値 = 1

タッチセンサ条件で使用されるタッチセンサ座標系を定義します。サーチ動作のx、y、z方向を決定します。複数のタッチセンサ条件で同じ座標系を使用することができます。

サーチパターン

初期値 = シンプル

サーチする対象ワークを定義します。選択したパターンによって検出位置か位置オフセット情報が計算されます。計算結果は位置レジスタに格納されます。以下の4つのパターンがあります。

  • シンプルサーチ

  • 隅肉/重ね合わせサーチ

  • V開先サーチ

  • 外径/内径サーチ

サーチタイプ

初期値 = 1_D シフト

1_D シフト

2_D シフト

3_D シフト

1_D+回転

2_D+回転

3_D+回転

位置レジスタに格納するオフセットのタイプを選択します。以下の6つのパターンがあります。

1次元オフセット量が格納されます。x、y、zのうちどれかの値にオフセット量が入ります。

2次元オフセット量が格納されます。x、y、zのうち2つの値にオフセット量が入ります。

3次元オフセット量が格納されます。x、y、zのすべてにオフセット量が入ります。

1次元オフセット量とサーチされていない軸の回転オフセット量が格納されます。

2次元オフセット量とサーチされていない軸の回転オフセット量が格納されます。例えば、対象ワークのx方向とy方向からサーチすれば、z軸周りの回転オフセット量が得られます。

3次元オフセット量に加え、全ての軸の回転オフセット量が格納されます。例えば、対象ワークのx方向とy方向からサーチすれば、z軸周りの回転オフセット量が得られます。

シンプル、外径/内径、V開先サーチパターンが指定されている場合には、上記サーチタイプはどれであっても影響を及ぼしません。

インクリメンタルサーチ

初期値 = オン

注:シンプルサーチでインクリメンタルサーチは使用できません。

1番目のサーチ動作にて得られたオフセット量を用い、2番目以降のサーチ開始位置をオフセットします。本設定がオフの場合には、教示されているサーチ動作開始位置に戻り、そこからサーチ動作を開始します。本機能を使用する場合には、サーチ動作開始位置は、各々のサーチ動作方向において、別々の位置番号にて教示して下さい。以下にプログラム例を示します。

カクジク イチ[4] 100% イチギメ
カクジク イチ[5] 100% イチギメ サーチ [-X]
カクジク イチ[6] 100% イチギメ
カクジク イチ[7] 100% イチギメ サーチ [-Z]

自動戻り

初期値 = オン

本設定がオンの場合には、対象ワークに接触した時、サーチ動作開始位置に一度戻ります。オフの場合には、サーチ動作開始位置に戻らず、次の位置に直接動作します。

戻り速度

初期値 = 100mm/sec

対象ワークに接触した時に、サーチ動作開始位置に戻る速度を指定します。

戻り距離

初期値 = 2000mm

最小値 = 0 mm

最大値 = 2000 mm

自動戻り機能が有効の時、ロボットがサーチ動作開始位置方向に戻る距離を指定します。仮に、指定された戻り距離が、サーチ動作開始位置を超えた場合には、開始位置を超えて戻りません。

参照グループ

どのようにオフセットが記録されるかを設定します。

  • 0:参照グループも先導グループもありません。オフセットはロボットに関して記録されます。

  • 1:オフセットはグループ1のユーザ座標に関して記録されます。

  • 2:オフセットはグループ2(先導)の協調座標系に関して記録されます。

    警告

    協調動作を伴うサーチ動作およびタッチオフセットを、協調動作を伴わないサーチ動作と混在させないで下さい。例えば、

    「協調動作を伴うサーチ動作」→「協調動作を伴わないサーチ動作」→「協調動作用のタッチオフセット」といったプログラムの流れで実行することはできません。

    この場合は、「協調動作を伴うサーチ動作」→「協調動作用のタッチオフセット」→「協調動作を伴わないサーチ動作」というプログラムの流れ、もしくは、「協調動作を伴わないサーチ動作」→「協調動作を伴うサーチ動作」→「協調動作用のタッチオフセット」というプログラムの流れにしてプログラム実行して下さい。

  • 3:オフセットはグループ3(先導)の協調座標系に関して記録されます。

  • 4:オフセットはグループ4(先導)の協調座標系に関して記録されます。

  • 5:オフセットはグループ5(先導)の協調座標系に関して記録されます。

    注:シンプルサーチ以外のサーチパターン選択時、この項目の番号がタッチセンサ座標系の参照グループの番号と等しくない場合には、サーチ開始命令実行時に「タッチ-039 参照グループが一致しません」が発生します。シンプルサーチ選択時、この項目の番号が1でない場合には「タッチ-037 動作参照グループが不正です」が発生します。

戻り動作位置決め形式

初期値 = イチギメ

対象ワークに接触した時に、サーチ動作開始位置に戻る時の動作の位置決め形式を指定します。選択可能な位置決め形式は以下の通りです。

  • イチギメ

  • ナメラカ20

  • ナメラカ40

  • ナメラカ100

サーチ出力補助レジスタ

初期値 = 32

本位置レジスタは、最後にサーチ動作によって接触した位置を一時的に格納するために使用されます。この位置レジスタの目的は、個々のサーチ動作によって得られた位置データを参照できるようにすることやプログラムでバッファからデータを取出せるようにすることです。標準では、このレジスタとして位置レジスタ32番を使用します。最後の位置レジスタに割りつけられています。

警告

本位置レジスタの中の値は、サーチ動作が行われる度に書き換えられます。よって、通常のオフセット量を格納する位置レジスタと同じ番号を使用しないで下さい。また、本位置レジスタの中のデータは、絶対位置データであり、オフセット量ではありません。よって、本項目で指定した位置レジスタをオフセット用の位置レジスタとしてプログラム中で使用しないで下さい。

失敗時のエラー出力

初期値 = オン

本設定がオンならば、サーチ動作距離が指定したサーチ距離を超えた時に、「タッチ-017 ワークに接触しませんでした」が発生します。オフの設定ならば、その場合でも、次の命令の実行が続けられます。

参考:本設定をオフにする場合には、プログラム中の次の行の命令にて、エラーレジスタを確認し、その値によって、分岐するようにして下さい。

エラーレジスタ番号

初期値 = 32

失敗時のエラー出力がオフになると、サーチ距離が設定距離を超えた場合、本レジスタが1になります。サーチに成功すると本レジスタは0になります。

ロボットグループマスク

このタッチセンサ条件でどのロボットグループがサーチ動作およびタッチオフセットを行うかを指定します。