I/O ETHERNET/IP


I/O ETHERNET/IP

1.EtherNet/IP状態画面

表1."EtherNet/IP状態画面項目"はEtherNet/IP状態画面の項目の概要を説明します。

表1.EtherNet/IP状態画面項目

項目

説明

コメント

初期設定: ConnectionX
(Xはアダプタのスロット番号)

この項目はアダプタコネクションやスキャナコネクションの説明です。機材/設備に合わせて自由に文字を変更することができます。

タイプ

初期設定: ADP

この項目はコネクションがアダプタまたはスキャナのどちらに設定されているかを表示しています。

有効

初期設定: TRUE (アダプタ1), FALSE (アダプタ2–32)

この項目はアダプタまたはスキャナが有効(TRUE)であるか無効(FALSE)であるかを示しています。

ステータス

ステータスの欄は以下の値のどれかになります。

  • OFFLINE– コネクションが無効になっています。

  • ONLINE – コネクションが有効になっていますが、アクティブではありません。 (例えば、コネクション確立を待っています。)

  • RUNNING - コネクションが有効でかつアクティブです。 (I/Oが送受信されています。)

  • <RUNNING> - コネクションが有効でかつアクティブです。 (I/Oが送受信されています。) オートリコネクトが有効になっています。オートリコネクトの設定については表6."EtherNet/IPスキャナ上級画面項目"を参照して下さい。

  • PENDING – 設定が変更されたことを示しています。ロボットの電源をオフにし、もう一度オンにする必要があります。

スロット

この項目の値はEtherNet/IPのI/OをデジタルI/O、グループI/O、周辺機器I/Oに割り付ける時に使用されます。


2.EtherNet/IPアダプタ設定

表2."EtherNet/IP設定画面"はEtherNet/IPアダプタ設定画面の項目の概要を説明します。

表2.EtherNet/IP設定画面

項目

説明

コメント

この項目は状態画面で表示されるコメントです。

入力サイズ (ワード)

初期設定:

この項目には入力として設定される16-bit ワードの数を指定します。

出力サイズ (ワード)

初期設定:

この項目には出力として設定される16-bit ワードの数を指定します。

アラーム重度

初期設定: WARN

本項目はアダプタコネクションによって表示されるアラームの重度を指定します。STOP, WARN, PAUSEの中から選択します。

スキャナIP

接続されるスキャナのIPアドレスです。

API 0 => T

スキャナ/オリジネータが生成する間隔、つまり実際のパケット間隔(Actual Packet Interval:API)です。

API T => 0

アダプタ/ターゲットが生成する間隔、つまり実際のパケット間隔(Actual Packet Interval:API)です。


表3."アダプタ設定の概要"表4."コネクションポイント"はロボットアダプタに接続するリモートスキャナ(例えばPLC)を設定するために必要な情報の概要を説明します。

表3.アダプタ設定の概要

項目 説明
ベンダ ID 356
プロダクトコード 2
デバイスタイプ 12
コミュニケーションフォーマット Data – INT
入力Assemblyインスタンス 101–132
入力サイズ 16-bitワード単位で変更可能
出力Assemblyインスタンス 151–182
出力サイズ 16-bitワード単位で変更可能
Configurationインスタンス 100
Configuration Size 0

表4.コネクションポイント

スロット番号 入力Assemblyインスタンス 出力Assemblyインスタンス

1

101

151

2

102

152

3

103

153

4

104

154

5

105

155

6

106

156

7

107

157

8

108

158

9

109

159

10

110

160

11

111

161

12

112

162

13

113

163

14

114

164

15

115

165

16

116

166

17

117

167

18

118

168

19

119

169

20

120

170

21

121

171

22

122

172

23

123

173

24

124

174

25

125

175

26

126

176

27

127

177

28

128

178

29

129

179

30

130

180

31

131

181

32

132

182


3.EtherNet/IPスキャナ設定

表5."スキャナ設定画面項目"はEtherNet/IPスキャナ設定画面の項目の概要を説明します。

表5.スキャナ設定画面項目

項目 説明

コメント

この項目は状態画面で表示されているコメントです。

ホスト名/IP アドレス

この項目は接続対象の機器のホスト名あるいは IPアドレスです。ホスト名を使う場合には ローカルホストテーブルに書いておくかDNS経由で変換できる必要があります。

ベンダ ID

この項目は接続対象の機器のベンダIDです。 設定する値については接続対象のアダプタ(ターゲット)機器のEDSファイルの記述を参照してください。

ベンダID、デバイスタイプ、プロダクトコードは 電子的キーイング(electronic keying)(3つの情報が合っている時だけ接続が成功する)が必要な場合に入力してください。値が0のときには電子的キーイングは行われません。

デバイス タイプ

この項目は接続対象の機器のデバイスタイプです。 設定する値については接続対象のアダプタ(ターゲット)機器のEDSファイルの記述を参照してください。

ベンダID、デバイスタイプ、プロダクトコードは 電子的キーイング(electronic keying)(3つの情報が合っている時だけ接続が成功する)が必要な場合に入力してください。値0のときには電子的キーイングは行われません。

プロダクト コード

この項目は接続対象の機器のプロダクトコードです。 設定する値については接続対象のアダプタ(ターゲット)機器のEDSファイルの記述を参照してください。

ベンダID、デバイスタイプ、プロダクトコードは電子的キーイング(electronic keying)(3つの情報が合っている時だけ接続が成功する)が必要な場合に入力してください。値が0のときには電子的キーイングは行われません。

入力 サイズ

範囲:0–64 (R-30iA/R-30iA Mate)、0–248 (R-30iB)

初期設定:0

本項目は入力として設定されたワードあるいはバイトの数です。 初期設定ではデータタイプは16-bitワードですが、これを8-bitバイトに変更することもできます。データタイプを変更するにはEtherNet/IP上級設定画面のI/O データタイプを変更します。(表6."EtherNet/IPスキャナ上級設定画面項目"を参照してください。)

入力サイズと出力サイズはロボットが接続する対象の機器のものと一致する必要があります。

出力 サイズ

範囲:0–64 (R-30iA/R-30iA Mate), 0–248 (R-30iB)

初期設定:0

本項目は出力として設定されたワードあるいはバイトの数です。 初期設定ではデータタイプは16-bitワードですが、これを8-bitバイトに変更することもできます。データタイプを変更するにはEtherNet/IP上級設定画面のI/O データ タイプを変更します。(表6."EtherNet/IPスキャナ上級設定画面項目"を参照して下さい。)

入力サイズと出力サイズはロボットが接続する対象の機器のものと一致する必要があります。

RPI(ms)

最小:8 ms

最大:5000

初期設定:32

この項目は要求されたパケット間隔です。この値はどのくらいの頻度でI/Oの更新が行われるかを指定します。設定できる最小の値は8ミリ秒です。しかしながら、この値はアプリケーションの要求によって設定されるべきです。頻繁なI/Oの更新は過剰なネットワークトラフィックを引き起こす可能性があります。ロボットの最小のPRIの値の目安については表7."要求されたパケット間隔(PRI)の最小値"を参照してください。経験的に、ロボット制御装置は1秒間に最大1250パケットをサポートすることができるようです。しかし、オリジネータからターゲットへのパケットとターゲットからオリジネータへのパケットの両方を計算に入れる必要があります。

Assemblyインスタンス (入力)

入力、出力、コンフィグレーションのそれぞれのインスタンスの値はロボットが接続する対象の機器に基づいて設定する必要があります。

Assemblyインスタンス (出力)

入力、出力、コンフィグレーションのそれぞれのインスタンスの値はロボットが接続する対象の機器に基づいて設定する必要があります。

Configurationインスタンス

入力、出力、コンフィグレーションのそれぞれのインスタンスの値はロボットが接続する対象の機器に基づいて設定する必要があります。


表6."スキャナ上級設定画面項目"はEtherNet/IPスキャナ上級設定画面の項目の概要を説明します。

表6.EtherNet/IPスキャナ上級設定画面項目

項目 説明

I/O データ タイプ

初期設定値:16-bit words

この項目でデータタイプを16-bit ワードか8-bit バイトのどちらかで指定します。

タイムアウトマルチプライヤ

初期設定:DEFAULT

この項目でタイムアウトの係数を指定します。DEFAULTに設定されているときには制御装置がPRI値に基づいて自動的に適切な値を選択します。

リコネクト

初期設定値:FALSE

この項目がTRUEのときには、スキャナがコネクション有効になっているがOFFLINEのときに、コネクションを確立しようと試みます。

この項目はツールチェンジアプリケーションのために設計されたものですが、以下のような副作用があります。この項目がTRUEのコネクションでは、コネクション確立やコネクションタイムアウトに関するEtherNet/IPのアラームが発生しなくなります。そのため、生産現場ではツールチェンジアプリケーション以外でこの設定をTRUEにしないことを推奨します。

メジャーリビジョン

初期設定値:0

この項目はスキャンされるデバイスのメジャーリビジョンです。サードパーティの設定デバイスによっては必要になることがあります。

マイナーリビジョン

初期設定値:0

スキャンされるデバイスのマイナーリビジョンです。サードパーティの設定デバイスによって必要になることがあります。

アラーム重度

本項目でスキャナコネクションによって発生するアラームの重度を指定します。STOP、WARN、PAUSEの中から選択します。

クイックコネクト

初期設定値:FALSE

この項目がTRUEのときには、コネクションがカレルマクロ(EN_ONLN)によって開始された場合、スキャナはクイックコネクトモードでコネクションを確立しようと試みます。

クイックコネクトの項目はツールチェンジアプリケーションのために設計されたものです。コネクションをカレルマクロによって有効にすると、スキャナはコネクションを開始する前に、アダプタデバイスから送られるgratuitous ARPを待たなければならなくなります。そのため、生産現場ではツールチェンジアプリケーション以外でこの設定をTRUEにしないことを推奨します。

オリジネータからターゲットへのRPI値(ms)

初期設定値:32

本項目はスキャナがプロデュースする時のRPI値(Requested Packet Interval:要求パケット間隔)をミリ秒単位で指定します。この項目によりスキャナはプロデュースするデータ、コンシュームするデータのそれぞれに異なるRPI値を持つことができます。

トランスポートタイプ

初期設定値:UNICAST

この項目により スキャナはアダプタに対しデータを送る際にpoint-to-point/ユニキャストコネクションを使うかマルチキャストを使うかを要求することができます。マルチキャストが必要でない場合、ユニキャストを使うことを強く推奨します。しかし、少数ですがマルチキャストのみサポートしているアダプタデバイスがあります。

ターゲットからオリジネータへのRPI値(ms)/p>

初期設定値:32

この項目はスキャナがコンシュームする際のRPI値(Requested Packet Interval:要求パケット間隔)をミリ秒単位で指定します。この項目によりスキャナはプロデュースするデータ、コンシュームするデータのそれぞれに異なるRPI値を持つことができます。

コネクションタイプ

初期設定値: (空白)

この項目によりユーザはスキャナコネクションのタイプを Exclusive-Owner、Input-Only、Listen-Onlyの中から選ぶことができます。コネクションタイプが選択された時には選択されたコネクションタイプに合わせてO=>TフォーマットとT=>Oフォーマットの値が自動的に変更されます。電源投入後にはこの値は空白となります。というのもこの項目は設定ではなく、適切なO=>TフォーマットとT=>Oフォーマットを選ぶための手助けをするだけの項目だからです。Exclusive-Ownerが最も一般的なコネクションタイプです。

O=>T フォーマット

初期設定値: Run/Idle Header

この項目はプロデューサのデータパケットの形式です。初期設定値ではRun/Idle Headerになっており、コネクションタイプのExclusive-Ownerに対応しています。

T=>O フォーマット

初期設定値: Modeless

この項目はコンシューマのデータパケットの形式です。初期設定値ではModelessになっており、Exclusive-Ownerコネクションタイプに対応しています。

コンフィグレーション ストリングス ステータス サイズ(バイト)

EtherNet/IPのアダプタの中には0でないコンフィグレーションストリングスを受け入れたり、要求するものがあります。このコンフィグレーションデータはRSNetWorx for EtherNet/IPのようなサードパーティの設定ツールを使うことによってのみロボットに設定することができます。この項目は現在どれだけのコンフィグレーションデータがコネクションに設定されているかを表示します。サードパーティの設定ツールを使用しない場合は、この項目は常に0です。


表7."要求されたパケット間隔(PRI)の最小値"はRPI最小値の一覧です。ロボット制御装置は1秒間に最大1250パケットをサポートすることができるようです。しかし、オリジネータからターゲットへのパケットとターゲットからオリジネータへのパケットの両方を計算に入れる必要があります。

表7.要求されたパケット間隔(PRI)の最小値

コネクションの数

各コネクションのRPIの最小値(ms)

1

8

2

8

3

8

4

8

5

8

6

12

7

12

8

16

9

16

10

16

11

20

12

20

13

24

14

24

15

24

16

28

17

28

18

32

19

32

20

32

21

36

22

36

23

36

24

40

25

40

26

44

27

44

28

44

29

48

30

48

31

48

32

52


4.エラーコード

以下のエラーコードはEtherNet/IPの2005年1月の仕様によって決められたものです。制御装置のスキャナコネクションが 通信相手のデバイスとのコネクションを確立するのに失敗した場合、制御装置は以下のフォーマットでエラーを発生させます。PRIO-350はエラーコードでPRIO-358はコーズコードです。

PRIO-350  EtherNet/IP スキャナ エラー (#)
PRIO-358  EtherNet/IP フォワード オープン異常 (0x#)

PRIO-350の()内の数字(#)はどのコネクションでエラーが発生したのかを示します。 PRIO-358の()内の数字(0x#)は通信相手のデバイスから返されたエラーの拡張ステータスを16進数で表示します。

表8."フォワードオープン異常のエラーコード"は拡張ステータスのエラーコードを説明します。

EtherNet/IPのアラームについては「R-30iB 制御装置 取扱説明書 (アラームコード一覧表) 」(B-83284JA-1)に記載されています。

表8.フォワードオープン異常のエラーコード

一般的なステータス 拡張ステータス 説明

0x01

0x0100

コネクションが既に使用されているか、二重のフォワードオープンです

0x01

0x0103

トランスポートクラスとトリガーの組み合わせがサポートされていません。

0x01

0x0106

所有権の衝突が起きました。

0x01

0x0107

ターゲットアプリケーションでコネクションが見つかりませんでした。

0x01

0x0108

無効なコネクションタイプです。 コネクションタイプあるいはコネクションの優先権に問題があります。

0x01

0x0109

無効なコネクションサイズです。

0x01

0x0110

デバイスが設定されていません。

0x01

0x0111

RPIがサポートされていません。 コネクションタイムアウトマルチプライヤあるいは プロダクション禁止時間についての問題であるかもしれません。

0x01

0x0113

コネクションマネージャがこれ以上のコネクションをサポートできません。

0x01

0x0114

キーセグメントのベンダIDかプロダクトコードが デバイスと一致しません。

0x01

0x0115

キーセグメントのデバイスタイプがデバイスと一致しません。

0x01

0x0116

キーセグメントのメジャーまたはマイナーリビジョン情報が デバイスと一致しません。

0x01

0x0117

無効なコネクションポイントです。

0x01

0x0118

無効なコンフィグレーションフォーマットです。

0x01

0x0119

制御用コネクションが現在オープンされていないために コネクション要求が失敗しました。

0x01

0x011A

ターゲットアプリケーションがこれ以上のコネクションをサポートできません。

0x01

0x011B

RPIがプロダクション禁止時間よりも小さい値です。

0x01

0x0203

コネクションがタイムアウトしたので コネクションを閉じることができません。

0x01

0x0204

非接続型のSendの応答待ちがタイムアウトしました。

0x01

0x0205

非接続型のSendサービスにおいてパラメータにエラーがあります。

0x01

0x0206

非接続型のメッセージサービスにはメッセージが大きすぎます。

0x01

0x0207

返答のない非接続型の応答です。

0x01

0x0301

バッファメモリを確保することができません。

0x01

0x0302

データのためにネットワークバンド幅を確保することができません。

0x01

0x0303

スクリーナを確保することができません。

0x01

0x0304

リアルタイムデータを送信するように設定されていません。

0x01

0x0311

ポートセグメントに指定されたポートが確保できません。

0x01

0x0312

ポートセグメントに指定されたリンクアドレスが確保できません。

0x01

0x0315

パスに無効なセグメントタイプやセグメントの値があります。

0x01

0x0316

クローズパスのエラーです。

0x01

0x0317

スケジューリングが指定されていません。

0x01

0x0318

自分へのリンクアドレスが無効です。

0x01

0x0319

2次のリソース(Resources on Secondary)が手に入りません。

0x01

0x031A

コネクションが既に確立されています。

0x01

0x031B

直接的コネクションが既に確立しています。

0x01

0x031C

その他

0x01

0x031D

冗長なコネクションの不一致です。

0x01

0x031E

プロデューサのモジュールでこれ以上コンシューマのリソースが確保できません。

0x01

0x031F

ターゲットパスのためのコネクションリソースが存在しません。

0x01

0x320 — 0x7FF

ベンダ特有のエラーです。