座標系の設定に関する詳細
iRVisionでは、多くの座標系が参照・使用されます。ユーザは、ビジョンプログラムを設定する際、各座標系とその役割を明確に理解している必要があります。

1: ワールド座標系
ワールド座標系は、ロボットの「標準」または基本の座標系です。ユーザ座標系0番にはワールド座標系が設定されています。

2: 基準座標系
iRVisionの処理のほとんどで、この座標系のZ軸は、カメラキャリブレーション時のカメラ視線(を中心とし、かつ平行な)方向となります。ワールド座標系を含む任意のユーザ座標系を、基準座標系に設定することができます。詳しくは、『iRVision 2次元カメラ 取扱説明書』の『ノウハウ編 2.1.1 基準座標系の設定』を参照してください。

3: ドットパターン座標系
カメラのキャリブレーション時に検出される、ドットパターン治具の大きなドットパターンの位置と向きで定義される座標系です。

4: 補正座標系/面
ビジョン補正された位置を教示するツール座標系またはユーザ座標系です。

5: カメラ座標系
この座標系は、ドットパターン座標系に対するカメラの位置と向きを表します。詳しくは、『iRVision 取扱説明書(リファレンス編)』の『設定編 2.1.2.6 キャリブレーション結果の確認』 - [ドットパターン治具から見たカメラの位置]を参照してください。


ビジョンの一般的な使用例

2Dビジョンでは、以下の3つの使用例が最も一般的です。
  • 固定カメラを使ったユーザ座標系での補正
    • これは「位置補正」と呼ばれます。
  • ハンドカメラを使ったユーザ座標系での補正
    • これも「位置補正」と呼ばれます。
  • 固定カメラで、ロボットが把持するワークを検出した後に行う、ツール座標系での補正
    • これは「掴みズレ補正」と呼ばれます。
    • 例: 精度の低いハンドに把持されているワークの、正確な位置の特定